書くのが楽しくてたまらない

淡水のsubmerged aquatic vegetationに、陸上植物で言われているような極相はあるのか、あるのだとしたらそれはどういう状態か、なんてオオボラ論文書いてます。書くのがあんまり楽しいものですから、最近の夕食は相当な手抜き料理、畑は草だらけ、寝室は論文の山が斜面崩壊寸前。。。

しばらくジョギングもお休みしてます。花粉が辛いのもありますが、走る時間ももったいない。書いているうちに、これは第四紀関係の論文もサポートに使った方がいいかもとか、どんどん膨らんでいきます。

これくらい書いていて楽しいのは、サンゴ礁はオダムが言っていたような栄養塩的に閉じた生態系ではなく、実は窒素固定で外からワサワサ窒素が供給されていると、窒素安定同位体比で議論した論文以来かもしれません。下記がその論文ですが、確かほぼ無修正であっというまに受理されました。
Yamamuro, M., Minagawa, M., Kayanne, H. (1995) Carbon and nitrogen stable isotopes of primary producers in coral reef ecosystems. Limnology & Oceanography, 40 (3), 617-621

でも気に入った論文って、たとえリジェクトにあっても、あまりへこみません。これは真理だから、いつかは分かってもらえると信じられるからです。

たとえば、修士の頃、汽水域のベントスの分布が塩分に対応しているときとしていない時があるという問題が議論されていました。私は地理の修論で、それは浮遊幼生の時の塩分に対応しているから、大人になって採取されたときに調べた塩分と一致しないことがあるのだと議論したのですが、その修論を読んでくれた生態学を専攻していたD生から「これはサイエンスではない」とまで言われました。
でも私は絶対に正しいと思ったから、長良川河口堰関係の本に自説を掲載したら、その同じ方から「あのときはおかしいと思ったけど、自分が河口域を調べて、確かにその通りだと思う」と10年以上経て言われました。

ということで、今書いている論文は、書いているだけで楽しくてたまらないのです。願わくば執筆に費やせる時間をもう少しとれたら。。。博士の学生さんには自由度が高い間に、こういったわくわくした執筆体験を何度も経験してほしいと思います。