びわ湖異変

NHK総合テレビをつけてお昼の支度をしていたら、正午のニュースの後、聞き覚えのある声が流れてきました。琵琶湖環境科学研究センターの熊谷さん。船上からライブで、琵琶湖では温暖化により湖底が貧酸素化し、湖底から溶出する栄養塩で富栄養化が進んでしまう危険があると解説していました。なかなか分かりやすい説明で、ビデオに撮っておきたかったくらいです。事前に教えてくれたらよかったのに。改めて新聞の番組欄を見たら「飛行船中継びわ湖異変」とありました。
熊谷さんはもう10年以上前から、この危険性を指摘していました。そして今日のNHKの放送では、海でも異変が起きているとして紹介していたのは、ナルトビエイの進入など、生物相の変化だけでした。でも実は内湾でも、温暖化すると貧酸素化しやすくなるのです。その危険を危惧していた研究者の方々と熊谷さんに声をかけて、1998年9月に松本で開催された日本陸水学会第63回大会で、淡水湖沼、汽水域、海域での貧酸素化に関するシンポジウムを開きました。そしてその時に講演下さった方々を中心に、貧酸素化に関する一般書の執筆を始めました。
あいにく私が交通事故にあったのが1997年で、脳脊髄液減少症により年を経るにつれて仕事が全く進まなくなり、3分の2くらい完成していたのに、完成までこぎつけることができなくなってしまいました。
10年経った今、幸か不幸か、温暖化による貧酸素化が現実のものになろうとしています。まだまだ脳は完全には復活していませんが、解決に向けたシナリオの提案まで含めたこの本を、何とか1年以内に出版したいと決意を新たにしました。