6月24日の陸水ゼミ

今日の陸水研ゼミは博士の学生さん2名の発表だったので、全て英語でした。どちらも文献紹介ではなく、自分の研究の発表でした。
ひとりは、8月のAGU(American Geophysical Union)の発表練習で、大気経由での河川への窒素負荷の話、もうひとりは専攻ゼミの練習で、洞窟性カニ類の分布と環境の関係。。

今日は進学希望の学生さんが見学に来られていたのですが、全部英語で、ちょっとおそれをなしたかも。この学生さんとはかねてからの知り合いだったので、非常に鋭いコメントをいただくことができました。

「内容に関する議論があまりないですね」

発表練習だったということもありますが、陸水研は水環境に関することは何でもやっていいよというスタンスなので、テーマが多岐に渡っています。ですので、1年間このゼミにいたら、大体みなさんが同じレベルになって議論に対等に参加できる、という感じにはなりません。アナモックスと大気起源窒素負荷の話ならまだ共通点は多いかもしれませんが、シャジクモによるリン除去とか、ブラックバス駆除によるザリガニ増加、という話とは、ベースになる基礎知識が全く違ってきます。

ではゼミではどうやって議論が可能になるかと言えば、分かりやすく説明されているか、その説明が論理的・常識的に妥当なのかといった、とても基本的な次元でのセンスが正当か、といったところでしょうか。私は、専門知識や業界固有の考え方も大切とは思いますが、多種多様な環境問題に対処していくには、基本のセンスが正当であることが一番大切だと思っています。

ところで先週は文献紹介で、修士2年の学生さんが、下記のアナモックス関連文献を紹介して、淡水域と汽水域とでどのような差があるかを検討していました(学生さんに文献情報を送ってもらったのですが、雑誌名がありませんね^^;)。

(1) Anaerobic ammonium oxidation measured in sediments along the Thames Estuary ,United Kingdom.[2003, 69 6447-6454, Mark Trimmer et al.]

(2) Correlation between AMX activity and Microscale Denitrification of Nitrite in a Subtropical Mangrove sediment. [2005, 71 6142-6149, Rikke Louise Meyer , Nils Risgaard-Petersen]

(3) Anaerobic ammonium oxidation in a tropical freshwater system. [2006,8 1857-1863, Carsten J. Schubert, Marcel. M. M. kuypers.]