脳外病棟

今いるフロアは脳神経外科と外科の患者さん達の病棟です。脳脊髄液減少症での入院も脳神経外科棟だったのですが、ほとんど老人という点は共通しています。他に長期入院したのが産婦人科しかないのでよくわかりませんが、たとえば内科とか眼科とかならもう少し年齢層に幅がありそうな気がします。
脳梗塞などで入院している高齢の患者さん達をみていると、長寿と同時にそのQOL(Quality of Life)も高める方向でいろんな政策を立ててこなかったツケをみるような気がします(QOLどころか年金さえああいう状態ですね)。
さらに恐ろしいのは、脳梗塞で入院され、現在は一人で歩くのは危ないとトイレも車いすで連れて行ってもらっている60歳半ばくらいのご婦人と医師との会話でした。あと2週間すれば退院できそうだと言われて
「先生、車の運転はどうですか?」「まあいきなり長くではなくて、近所のスーパーくらいからかな」
近所のスーパーって、そこには子連れの親子も来ているでしょうに。
脳梗塞で倒れた高齢者がリハビリに成功して自宅に帰れば、いつまた発作を起こすか分からなくても運転せざるを得ない、クルマ優先社会で生きていかねばなりません。
ヨーロッパやオーストラリアなどと比べて、日本はクルマをどう利用するかについてもQOLを後回しにし、目先の利益優先にしてきたのではないかと思います。トヨタの赤字が大きなニュースになりましたが、だから再びクルマを売るという発想ではなく、どうせ売れないならこの機会に、人のQOLを高めるという観点からあらゆる産業を見直してみてはどうでしょうか。