あけましておめでとう

陸水研2年目のお正月を迎えました。
年の初めに陸水研の今年の目標を3つ決めました。
1:研究室全体で年間10本、国際誌に掲載する
2:研究室の武器を整備する
3:研究室のノウハウを継承する仕組みを整える
1は、特に修士の学生さんは「そんなの無理」と思わないでください。アメリカの学生なら修士の研究を国際誌にって、そんなに大変と考えていません。その差が言語の壁であるなら、英訳は私が手伝うか、予算に余裕があれば業者に任せましょう。内容として国際誌に掲載される価値のある論文を書くことが、他大学と比べて恵まれた面が多い、そしてそれはみなさんのご両親も含めた国民の税金で成り立っている、この東京大学の学生としての義務です。
とはいえ陸水研は、私が来たときには極めて手狭な1室しか前任者から引き継げず、水環境の研究室として明らかに武器に劣ります。多くの方のご協力で基本的なものは少しづつそろえましたが、まだTOC計がうまく動かない、比色を手軽に使って何でも測るという雰囲気にない、などの問題があります。そこで2を目標としました。現状の武器をいつでも動かせる状態にすれば、私のD論程度の研究はできます(私のD論で使った分析は比色と滴定と顕微鏡観察がほとんどです。一番高価な機器でCHN計でした)。
機器に加え、研究室として一定のテーマを長期間取り組むことも武器になります。入院中にようやくゆっくり読めたL&Oに、30年くらい同じ湖沼からコアを採ってきて、初期続成過程で堆積物のCやNがどれくらい失われるかを研究した論文がありました。こういう武器があると、チャレンジングなテーマを選んで大コケしても、研究室の蓄積を使って修論は何とかなるなど、学生さんの研究テーマの幅を広げるのにも役立つんじゃないかと思います。
そういった武器を整備しても、使い方や意味が継承されないと役立たないので、3を目標としました。
これらは全て、学生さん達が主体的に動かないと実現しません。よろしくお願いしますね。