第8回脳脊髄液減少症研究会から(4)

髄液漏れとリンパ管との関係が、複数の講演で言及されていました。
ある講演では、漏れている患者のリンパ管は拡張していることが多いと報告されていました。また別の講演では、気圧の低下で症状が悪化するのは、リンパ管が若干拡張して、そのときに髄液が減るのではないかと推察していました。同様に、点滴で症状が緩和されるのは、血液循環が活発化することでリンパ管の圧力が上がり、漏れる経路が小さくなるからと考えていました。ただし点滴については、EBPで難治の患者に安静臥床点滴療法が有効であったという報告では、脳脊髄液減少症の背景に脱水が存在する証左とされていました。
漏れの量と症状についてのコメントもありました。大量に漏れると頭痛が生じるが、少量の漏れだと頭痛よりも首の痛みやだるさなどが主になるのでは、という趣旨。私自身は事故直後急激にではなく徐々に悪くなっていたことから、少量が徐々に漏れたタイプだと思います。そして頭痛よりは首の痛みとだるさの方が大変だったので、量によって症状が違うらしいとの見解には賛成です。
繊維筋痛症(FM)関係の講演も興味深かったです。この病気は女性に多いそうです。なぜなのでしょう?FMがご専門の先生は、まずEBPで漏れを止めてもらいたい、痛みは何とかなるとコメントされますし、脳脊髄液減少症がご専門の先生は、EBPでFMを悪化させる例があるので慎重に行うべきと言われます。いろいろ難しそうです。