埋め立てに関するパブリックコメント

愛知県では2月7日締め切りで、三河港港湾計画の改訂に関するパブリックコメントを募集しています。
http://www.pref.aichi.jp/0000037216.html
場所は、Google mapで「豊橋市神野新田町」といれると見やすい図がでてきます。左側の「豊橋総合スポーツ公園」とある緑色部の沖側です。
ここは「六条干潟」と呼ばれているところで、愛知県の調査結果では、アサリが多数生息していることがわかりました。図で細かい点として表されているところが干潟です。
http://www.pref.aichi.jp/cmsfiles/contents/0000016/16959/i04_02-02.pdf
上記調査結果のL6より南側の部分が、今回改訂になる三河湾港湾計画では埋め立てることになっています。
http://www.mikawa-port.jp/file/P03.pdf
これを拡大した図が
http://www.mikawa-port.jp/file/P04-3.pdf
にあります。
私が(県ではありませんが)この関係の委員を務めていたときには、国内でもアサリの稚貝が今でも採れる貴重な場として、「六条干潟の埋め立ては最小限にする」方向で検討されていました。その結果、
http://www.pref.aichi.jp/cmsfiles/contents/0000016/16958/i03_01.pdf
にあるB案を前提に漁場や沖合の貧酸素水塊に与える影響を検討するということになっていたと思います。
愛知県の三河港港湾計画検討委員会の資料で公開されている最新資料(平成20年2月12日開催第4回委員会分)のうち「第4回委員会・第6回幹事会での主要意見とその対応」でもやはり、「今後、B案(神野沖島案)で港湾計画改訂作業を進めていく。」とありました。
http://www.pref.aichi.jp/cmsfiles/contents/0000016/16953/i04_iken.pdf
どういう経緯で今回の埋め立て案になったのか、今回パブリックコメントを求めている埋め立て案では環境や漁場への影響はどうなのか。
情報がない以上、「B案ではない案が提示された理由、特に環境や漁業への評価をどう行い、どのような結果が出たかを明示すべき。それをせずに環境を改変すると、諫早湾の二の舞になるのではないか。」という感じのコメントがでてきても不思議ではないように思います。
参考までに、六条干潟埋め立てに関して、環境省が出した見解を2008年7月9日記事
http://d.hatena.ne.jp/Limnology/20080709
でご紹介しました。

追伸
六条干潟がある三河湾の環境問題に取り組んでこられた西條八束先生は、この問題について科学的根拠を明確にして検討することを強く主張されていました。急逝されたのも、この問題で無理をされたからではないかと聞いています。
先生は「行政だから」「市民運動だから」ではなく、自然科学に基づいた推定では何が起こりえるのかを明確にすべき、との立場で環境問題に取り組んでこられました。私も同じスタンスです。