自然環境野外総合実習

今日と明日は、地震で延期になった自然環境野外総合実習。都合により本日の一部に参加しました。
袖ヶ浦市にある坂戸神社では、天然記念物の自然林を観察。鳥が種を落とすことで暖かい地方では広がっているシュロが、ここでも目立っていました。

危険木診断の見学では、木に孔をあけて空洞を確認していた従来法に代わるものとして、音響を使った画像診断を見せていただきました。センサーを数cm差し込む必要はありますが、木に与えるダメージはかなり減少すると期待されているそうです。

赤い部分が空洞化していると考えられるところで、この木の場合は折れる可能性が高いことが分かりました。

鴨川市浜荻では、太平洋岸の海岸地形の観察をしました。地形学がご専門のS先生が海外出張だったので、学生のE君が代理で説明。あいにく潮が高くて波食棚(ベンチ)は海面下、かつこの場所は山が迫っていて離水ベンチもないのですが、用意した資料で、とても分かりやすく説明してくれました。私はこの近くの平磯にあるベンチで、ヤッコカンザシという管棲多毛類を使って元禄と大正の関東地震における隆起量を見積もった論文を書いたことがあります。その知見からのフォローとして、1923年の大正関東地震の隆起量は1m程度だったが、1703年の元禄関東地震の時は5m以上あったこと、この時は津波が押し寄せ、多数の死者がでたことを紹介しました。最後に
「たとえ弱い地震であっても、海岸にいて地震を感じたらすぐに高台に逃げること。特に1分以上地震が続いたときは、遠くで起こった地震であっても大津波になる可能性が高い」
と注意しました。これだけは覚えておいてください。