霞ヶ浦で自然にアサザ群落が残っている麻生地区を見てきました。消波施設を設けたためにハスの侵入を許したと考えられる場所です。この時期はハスが枯れていて、その周辺にアサザがないのがよくわかります。
かろうじて残っていたアサザの根が黒く傷んでなかったので、手賀沼のように硫化物濃度が高くなることで根がやられたのではなく、ハスの葉の陰になって光合成ができなくなって消滅したと考えられます。
絶滅危惧種の保全を通じて子供達に多様性を守るとはどういうことか学んでもらうならば、何度植えても消滅するところに植栽させるのではなく(植えても植えても消えていくアサザを見て、子供達は何を思うでしょう)、自然に残っているところに何が起こっているのか観察させて、どうすればいいのか考えさせるべきだと思います。
ハスは明らかに食用種が持ち込まれていますし、手賀沼、琵琶湖、伊豆沼などで他種を駆逐しています。霞ヶ浦の自然をどう守るかを考えるには絶好の課題だと思いますが、アサザ基金の案内は「アサザを植えました」「アサザのお花見」ばかりです。アサザ基金がやっていることが環境教育として広まることは、非常に問題が大きいと思います。