第11回東大水フォーラムセミナー

第11回東大水フォーラムセミナーで発表しました。
湖沼生態系の基本である一次生産者が、高度経済成長期を境に沈水植物から植物プランクトンに交代したのは除草剤が原因であることをご説明しました。
その上で、アサザを植栽することでやがては沈水植物が復活するとしているアサザ基金の主張が非科学的であること、過去に行った粗朶消波堤設置などが霞ヶ浦の環境を悪化させていることなどを紹介しました。反響は大きく、ある先生からは早速、
アサザ基金については、従来の環境保全運動が、割に教育的(油を流さないとか、ゴミを分別するとか)であったことや、公共投資による強引な土木構造物の開発への嫌悪などが、人々に、より積極的でポジティブな何らかの運動に参加したいという願望を生んだこと、難しい話が多い中で、割に簡単なソリューションを提供したこと、など社会的な背景も、アサザ基金がうまく人々に入り込めた要因の一つと思います。
これからの環境再生へ、アサザ基金から、悪い意味での様々な教訓が得られると思いました。」
との、貴重なご意見をいただきました。
企業の方もこられていたので、アサザ基金を支援している民間企業にも、徐々に情報が伝わっていくことと思います。