自然環境学実習II

今日は自然環境学実習IIの全教員が野外で調査を指導する日でした。幸いお天気にも恵まれ、13時から17時過ぎまで、3カ所での実習が無事終了しました。
この実習、1年目は各教員がバラバラに野外実習をしていたのですが、2年目からは、こんぶくろ池周辺で地形・植生・水環境の順番に実習を行う形式になりました(2009年7月4日記事と2010年5月22日記事で紹介しています)。2009年から2011年までの3年間、私の実習では池周辺の植物や動物、土壌の採取を行い、翌週にCN分析をして、その特徴を考えるという内容にしていました。
今年は趣向を変えて、こんぶくろ池・弁天池で地形と植物の実習、そして水環境は私が担当し、3つのグループに分けて、各グループが70分づつ地形・植物・水環境を順番に実習することになりました。
「水環境」は、柏市の調整池で水生植物と環境との関係を考える実習にしました。5つほどテーマをあげたのですが、そのひとつが「ヨシ帯は本当に水質浄化するのか」、でした。パックテストを使って池の上流の水と下流のヨシ帯の水を比べたら、予測通り、CODはヨシ帯の方が高いという結果になりました。またヨシ帯の水は硫化水素臭がしました。これらの結果から、この現場のヨシ帯は水質浄化しているとは言えないという結論になりました。
この他にも浮葉植物と沈水植物の関係、浮葉植物が水質に与える影響など、目の前にある植物の観察から考えてもらいました。何事もネットや本に書かれていることを鵜呑みにせず、まず現場に行くこと。そこで自然科学の諸学問の基本から総合的に考えることが正しい理解につながることが伝わったと思います。
私にとってはやりがいのある実習だったのですが、チューターなしで一人で担当したので、写真を撮る暇がなかったのがちょっと残念でした。