名古屋大学博物館企画展示「西條八束と日本陸水学の流れ」に行きました。
西條先生が譲り受けた、吉村信吉先生所蔵の「湖沼学」。29歳でこの本を出版した吉村先生は、改訂に備えて自著にびっちり書き込みをされていました。
その吉村先生が、シャジクモも研究されていたことを初めて知りました。ここ数年来こっている植物なので、嬉しく思いました。
長良川河口堰問題で西條先生はデータを全て開示すること、発言に制約をつけないことを条件に建設省の委員に就任し、何が問題なのかを事業者側に伝える努力をされていました。平行して、汽水域で環境を改変するとどのような影響がでるのか、理解に不可欠な基礎的知見を普及するため「河川感潮域」などを出版されました。
先生は生元素循環がご専門でしたが、汽水域では特に物理現象の理解が不可欠であると、物理の専門家と頻繁に議論されていました。下記写真にあるお名前のうち、宇野木先生と奥田先生は物理がご専門です(錚々たる先生方と並んで私の名前があって、ビックリです)。
日本には汽水域を専門とする大学の機関がひとつあるのですが、設立以来、物理の専門家がおられません。どうしてなのでしょう。。