男子中学生を死亡させた飲酒ドライバーに執行猶予判決(長野)

かな・ちかメールNo.202から「男子中学生を死亡させた飲酒ドライバーに執行猶予判決(長野)」を抜粋しました。もしあなたの子供が飲酒運転殺人で死亡したら、その犯人が、すぐに救助しないで逃走したにも関わらず執行猶予判決になったら、どう思うでしょうか。
☆「かな・ちかメール」は東名高速飲酒運転事故で娘二人を失ったお母様が不定期で発信しているメールです。

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今年の3月23日午後10時過ぎ、長野県佐久市市道で塾帰りの男子中学生・和田樹生(わだ・みきお)くん(当時15歳)が、交差点の横断歩道を歩いてわたっていたところ車にはねられ死亡。横断歩道上道路中央で左からの歩行者をセンターラインオバー、スピード超過で44.6m先にノーブレーキで撥ね飛ばしています。
ドライバーは事故を起こした後、100メートル先に車を停め現場に戻りましたが被害者を見つけないままコンビニへ行き、ブレスケア(口臭予防剤)を買いそれを半分ほど服用しました。
そして通行人によって発見された被害者の元に来ておもむろに人工呼吸をしました。
救急車を求める通報もしていません。

飲酒検知で呼気一リットル当たり0.1mgのアルコールが検知されましたが、基準値の0.15mg未満であったために起訴の罪名には酒気帯び運転も入らず。過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪も適用されず。
裁判は自動車運転処罰行為法(過失運転致死)の罪名のまま淡々と進み、9月7日に長野地方裁判所の裁判官は刑の執行を5年猶予する禁固3年の判決(求刑は禁固3年4か月)を被告人に対して言い渡しました。

被告人に対してくみ取れる事情として裁判官が読み上げた理由としては、
●事実を認め反省している。
●任意保険に加入している。
●謝罪を断わられながらも謝罪文を書いた。
●20年前に前歴があるが、前科はない。
●真面目に働いていた。
●父の会社に引き続き雇用され、妻と父が指導監督する。
だったそうです。

2000年6月に私たちの東名高速事故の刑事裁判で東京地裁の裁判官が読み上げた理由とほとんど変わらない、あまりにも些末な理由が、15年経って世の中も法律も大きく変わった今もなお飲酒ドライバーに対して裁判官がとうとうと述べているのです!

「ルールを守らない大人によって息子は命を奪われたのに、今回の判決は理解できません」と、ご両親が検察に対して量刑不当で控訴をしてくれるように求められています。
控訴期限は9月24日(木)です。
急きょ始められた控訴嘆願の署名は9月18日までに24488筆集まり、検察に提出されています。
それでも検察は「量刑不当と言えるか問題があり、控訴しない可能性はある」とご両親に対して説明しているそうです。

飲酒運転をしても加害者が赦されていた時代に時計を巻き戻さないでほしい、と切に願っています。

【参考】
お母さん・和田真理さんのブログ: http://ameblo.jp/mickeyw2015/
長野放送NBS)で放映された記者会見のニュース:https://youtu.be/aH-WWVg3phg