現場で多様に考える

「それって、樹林化に似ているから、同じような解析ができると思う。」
今日の陸水ゼミで樹林化を研究しているM2の学生さんが、宍道湖のヨシ植栽がもたらした湖岸環境の改悪状況を研究しようとしているM1の学生さんにコメントしてました。底が動かなくなって、入り込んだ単子葉類が砂をためて、有機物が蓄積して、木が入り込むところが本当に似ています。
入学して1年と7ヶ月が過ぎ、何度もフィールドに行って、植物だけでなく地形も見て、堆積物や水を分析してという経験を積み重ねると、場の見方というものが備わるようです。逆に、現場に行くことなく自然環境が分かっているような気になっている人、行ったにしても専門が近い生物しか見ない人には、私たちに見えていることが全く理解できません。
陸水研では就職組の学生さんには特に意識して、文献を読むよりは現場に行くように、そして専門が異なる方と話すように勧めています。私に質問して来ても、「それは○○先生に聞いたら?」と振るのは、その為です(私の地理の指導教員も「僕は何も教えないから」と断言してました)。誰かのフィルターを通した情報(ネット情報も同様)ではなく、現場から考えること、そして現場では多様な見方を心がけることの方が、就職後のよりよい仕事につながると思うからです。