宍道湖のシジミ

宍道湖シジミの生産が激減しているのは塩分が低すぎるから、が私の持論です。シジミ自身の再生産というより、餌の質の低下(塩分が低いと珪藻よりもラン藻が増えやすい)によると考えています。最近はもうひとつ要因があるかもと思っていて、それが正しければ来年は漁獲量が増加すると予測しています。
しかしもうひとつの要因の方は、正しいとしてもどう対策を立てればよいか思いつかないので、今年は思いっきり暑くて雨の少ない夏になって宍道湖の塩分が上がってくれ!(そうすれば塩分が原因との持論の傍証になる)と思っていたら、本当にそうなってビックリです。
予想していたように沈水植物は少なく、シオクサは大繁茂という状況です。そして今のところアオコは発生しておらず、珪藻が卓越しているようです。持論が正しければ、冬に異変が起きない限り、再来年の漁獲量はかなり増加するはずです。
シオクサについては沈水植物が繁茂するようになったのと同じ原因(受理済み)、即ち、除草剤使用の減少によって増殖したと考えています。淡水産の沈水植物は塩分が10PSU近くなると繁茂しなくなると予測していて(投稿済み)、実際その通りになっているようです。シオクサについては塩分耐性が異なる複数種が混在しているとの専門家の知見があるので、塩分を高くする操作をしても減らすことはできません。
私が目指してきた環境学は、現実の環境問題を解決し、さらには問題が起こる前に予防することができるものです。問題が起こってから関係者を責め立てるのは、最低だと思います。宍道湖生態系を、人がどのように介入することで持続可能なものにしていくのか。その中でシオクサについてはどう対策を立てるのか全く思いつかず、悩みの種です。アイディアがあったら教えて下さい。