水草に関する誤解を実験から解く

手賀沼ほとりの実験池では、ライギョをいれてアメリカザリガニが来ないようにしています。土から出た養分で富栄養化している為にびっしり緑藻が生えているのですが、

その緑藻を取り除くと、これだけ覆われても沈水植物(ササバモ、ガシャモク)が元気に育っていることが分かります。宍道湖でもアオコに覆われてもオオササエビモは全く影響を受けていませんでした。Schefferのalternative stable state説は、水草捕食者を要因にいれていないこと、沈水植物全てがアオコや緑藻に覆われることで枯れるのではないことなど、見直す必要があります(少なくとも日本では)。

N君が殺すに忍びず実験用ザリガニを逃がした屋上の池は、ザリガニに食べられて、育てていたシャジクモが全滅しました。見つけたザリガニを捕まえて、水を抜いて日干しにした上でザリガニがいないことを確認して7月11日に再度水をいれたところ、昨日、シャジクモが復活しているのを発見。7月23日に観察に行った時には生えていなかったので、その後に出てきたと思われます。水草にとってアメリカザリガニがいかに深刻な影響を及ぼしているのか、この例からも分かります(緑色のピンぼけしているのがシャジクモです)

屋上ではアサザバケツの実生アサザがすくすく伸びて、もうすぐ水面に達しそうです(写真で下の方に映っている小さい葉2枚が実生です)。新たな容器にいれたアサザはあっというまに増えて広がるし、水位変動がなくても実生から出てくるし、おまけに自ら「切れアサザ」を造っています。アサザ基金のホームページに書かれているアサザの記載がデタラメだらけであることは、これまでこのブログで紹介してきた霞ヶ浦や各地のアサザの様子に加え、屋上の実験でも再確認できています。