佐鳴湖(3)

現地に行くまでは「私が知っているどの汽水湖タイプだろうか」と色々夢想していた佐鳴湖ですが、実際に見て最も似ていると思ったのは、淡水湖沼の手賀沼でした。
湖岸近くまで住宅街が迫っている手賀沼。それでも東側は田んぼが広がっているのですが、佐鳴湖は見事なまでに、一周を住宅街が取り囲んでいました。下の写真は佐鳴湖流入河川に注ぐ湧水です。こんな湧水まで住宅街に取り囲まれています。

ところが湖岸に立つと、住宅街に取り囲まれているという印象を受けません。巧みに林があるからです。この林はおそらく「親水湖岸」などの名称の工事で造られたのではと思います。
低木の左側にある少し砂利に見えるライン。実はここがかつての堤防だったそうです。なので、ここから湖側にある部分(高木が植えられているところも含む)は、最近になって湖の浅瀬を埋め立てて造ったところです。

水際は一昨日の写真のようなヨシ湖岸か、下記の写真の感じ。屋久島のように勾配がきついならいざしらず、こんな低平な河口近くの湖沼に角礫がごろごろしていて、その沖合にヨシの塊?極めて不自然な人工湖岸なのですが、コンクリートの垂直護岸なら一目で人工湖岸と分かるのに対して、この湖岸は一般の方には人工湖岸であることが分からない可能性があります。子供達がこれを自然な状態だと思って育つのだとしたら、とても恐ろしいことだと思いました。