日本版ラグーン研究者の学会

ラグーン(潟湖、海跡湖)は閉鎖的であること、塩分範囲が淡水から海水まで様々であることから、淡水湖沼とも内湾とも異なりますし、エスチャリーとも異なります。そのためか、エスチャリーを対象にした国際誌(例えばEstuaries and Coasts)にあり得ない結論を引き出した論文が掲載されていて、驚いたことがありました。
ラグーンの物理・化学特性を理解している査読者が審査する専門誌が必要と痛感して、ヨーロッパの著名なラグーン研究者が集まる今回のコンファレンスで国際誌発刊を提案しようと思っていたところ、考えることは同じでした。彼らを中心に既に学術誌を発刊していて、2014年にはISIに掲載されることになったそうです。ヨーロッパだけでなく世界のラグーン専門誌を目指したいということで、私はアジアを代表してEditorial Boardに加わることになりました。
また私の講演を聴いたイタリアの方から、世界の湖沼関係の会議でラグーンセッションを一緒に提案しないかと持ちかけられました。世界から演者を招くと経費がかかるので実現するかどうかは不確定ですが、実現できたら日本を拠点に、アジアのラグーン研究ネットワークを展開するきっかけにしたいと思います。そのためにはラグーンに関する基本的な知見を有した日本の研究者を結集して、ラグーンを対象とする研究会・学会を日本でも立ち上げる必要がありそうです。