STAP細胞を開発した小保方晴子さんが着想を得たのは、実験中だったそうです。他にも、例えばレイチェル・カーソンが化学物質が生態系を攪乱すると感じたのは現場を見ていてですし、理論系でなければ、革新的な発想を文献を読んでいる時に得ることはあまり無いと思います。
全く読まないのは論外ですが、当該分野で自分が疑問に思っていることをどう議論しているのか最初にレビューして、大御所が誰か当たりがついたら、その人が自分の疑問についてどう考えているのかメールとかで聞いて、納得できなかったら仮説を立てて現場で観測したり、実験をする。データが得られたら、それが何を示しているのか考え抜く。よほど時間が余っていても、他の環境ではどうかとフィールドに行くか、読むにしても自分が偏った見方をしていないか他分野の教科書等を読むべきで、間違っても近い分野の論文を読んで何かやっている気にならないこと。
私が学生だった頃は今のようにネットで瞬時に検索・取り寄せなんてできなかったので、定期的に雑誌会を開いて、分担して主要誌を読み合っていました。しかしこの時代、特に水環境問題を現実的に解決したいと思っているのなら、そんな必要全くないと思います(狭い専門分野で競争して、ちょっとした違いで勝ちたい、ということならいざ知らず)。