宍道湖・中海は戦後すぐに淡水化計画の対象となったため、当時の錚々たる研究者による環境調査報告が残っています。植物相や動物相だけでなく、一次生産者から高次生産者まで生産速度が算出されているなど、今日でもなかなかできない総合的な報告です。
もちろん水質も調べられていたのですが、例えばリン酸濃度の単位が「r/l」という見たこともないもので、長らく、どなたに聞いても分かりませんでした。
先日、その報告書執筆者のお一人だったK先生にお会いできた機会に、「r/lってどういう単位か、おわかりでしたら教えていただけますか?」とお願いしたところ調べていただけることになり、昨日ようやく謎が解けました。
「r」とあるのは本当はガンマと記したかったのだそうですが、活字にガンマがなく、rを使ったそうです。ではガンマは当時何を意味していたかというと、「マイクログラム/リットル」だったそうです。なので「r/l」だと「マイクログラム/リットル/リットル」になってしまうのですが、おそらく「マイクログラム/リットル」のつもりだったのだろう、ということでした。
K先生からのお返事には、先日ご案内した宍道湖の夕日に因んで小林如泥の紹介が添えてありました。西條先生もそうでしたが、この世代の先生方の教養の広さは、本当に驚嘆してしまいます。