宍道湖のシジミ漁獲量は世紀末に向かって減少する?

「気候変動による宍道湖・中海の水質等への影響調査]の成果報告書をネットで見ることができます。

5-4 気候変動による宍道湖・中海の水質等への影響調査|中国・四国地域|各事業の成果報告|地域適応コンソーシアム事業|気候変動適応情報プラットフォーム

宍道湖・中海では海水面が上昇すると、高塩分水流入量が増えます。一方で、海水面が上昇するのは低気圧が来るときで、その際には淡水流入量も増えます。
また平行して、水温そのものが温暖化で上昇する影響もあります。
宍道湖では地元の研究者により、前月までの水温と塩分で、翌月にアオコが発生するかどうか判断する予報式が確立されています。これを使って21世紀末の宍道湖では、アオコ発生頻度が現在の2倍になると予測していました。
私は過去に宍道湖でのシジミ漁獲量減少原因を調べたことがあります。そして、宍道湖では珪藻ではなくラン藻類が優占するとシジミが減ることが分かりました。ラン藻類にはシジミが必要とする必須脂肪酸が無い為です。詳しくは下記リンクから報告書をダウンロードできます。

島根県:宍道湖保全再生協議会研究概要報告書(トップ / しごと・産業 / 水産業 / 水産振興 / 水産行政情報 / 宍道湖保全再生協議会)

21世紀末に向かって宍道湖がアオコが発生しやすい環境に移行すれば、シジミ漁獲量は減少すると思われます。そしてその頃には豪雨による水田からの農薬流入も増えます。シジミから農薬が検出されて出荷不能になるかもしれません。ネオニコでエビ類は採れないまま、ワカサギも餌不足で不良が続くでしょう。今は採れているシラウオがラン藻類の優占が定常状態になっても採れるのかは、私には分かりません。
大変心配なところです。