8月末のバイカル湖畔では雨が降るとキノコがあちこちにはえて、地元住民はこぞってキノコ狩りに明け暮れます。実験所でもサンプリングの往復のたびに、T先生も含めメンバーがみなキノコ狩りに夢中でした。取って来たキノコは泥を落としてメインディッシュやスープに使うだけでなく、塩漬けにして冬用の保存食にするそうです。下の写真はある女性研究員の1回分の収穫です。毎日これくらい取って来ては塩漬けにしていました。T先生も毎晩、「祖母から伝授された私のキノコの塩漬けは妻よりも上手」と塩漬けにいそしんでいました。
日本ではキノコの塩漬けなど食べたことがなく、「味見したい」と頼んだら、1週間はつけないとダメとのこと。諦めていたところ、イルクーツクに戻って夕食用のお総菜を買いに寄ったスーパーでキノコの塩漬けを見つけました。
みなが手作りにいそしむ理由がよく分かりました。買うととても高価で、50g(小さめの椎茸2つ分くらい)で148ルーブル(233円)もしました。日本で150円くらいするチョコアイスバーが25ルーブル(39円)、オームリの燻製1尾が133ルーブル(210円)だったのと比べると破格の高さです。これらのキノコは栽培されておらず、この季節に森で採ってくるしかないため、こんな値段になるのでしょう。お味は、このレベルなら高くてもいいか、と納得できるおいしさでした。帰国したら日本のキノコを塩漬けにしたらどうなるか試してみようと思います。
(追伸)
ロシア語ほとんど忘れましたが、アルファベットさえ読めれば何とかなるようです。アイスクリーム屋さんでは商品名を文字の通りに読んで「パジャーリスタ」と言ったら、まさしく欲しかったのがでてきました。スーパーでオームリを探したときもよく似た魚の燻製があったのですが、ラベルにオームリと書かれていたので特定できました。逆に文字が読めないでパッケージの形に頼って買うと、例えばヨーグルトと思って買ったカップから液体が出てくることになるかもしれません。ロシアで単独行動になりそうな時は、ともかくもアルファベットだけは読めるようにするのが無難だと思います。