1988−1991年に日本陸水学会会長を務められた奥田節夫先生が昨日逝去されました。
奥田先生からは、先生が西條八束先生と編著を務められた「河川感潮域」の共著者にして頂いて以来、ご指導いただいていました。
長良川河口堰について陸水学会は創立以来初めて学会として行政措置に関わる声明(長良川河口堰の環境影響再調査要求の学会声明書)を行ったのですが、その中心となったのが奥田先生と西條先生でした。長良川だけでなく、奥田先生、西條先生、そして宇野木早苗先生の3人で、様々な水環境問題に科学者として取り組んで来られました。
調査をご一緒する機会はなかったのですが、卒論以来の私のフィールドである宍道湖の物理環境についても研究されていました。宍道湖・中海干拓淡水化事業について、科学者として最初に「水門を閉じると汚濁物質の沈殿が増加する」と発表されたのが奥田先生でした(川上、1988)。
陸水物理学の先達であるとともに、陸水学の科学としての社会貢献を積極的に進めた先達でもあられました。
先生に指導いただいた後輩として、また先生の後を継いだ陸水学会会長として、心よりご冥福をお祈り申し上げます。