ヒシがアオコを抑制するとは言えない

昨日の陸水学会ではかなりの内容を詰め込んだので、質疑時間まではみだして話してしまいました。それで質問は1名だけになってしまい、内容は「ヒシが生えるとアオコが生えなくなったということがあるので、alternativeではないか?」との趣旨でした。時間が押していたので「今日紹介したSchefferのごめんなさい論文で新たに提案されたalternativeに『浮葉植物かプランクトンか』というのもあり、あり得ないことではないかもしれませんね。」との趣旨の回答をしました。
この回答は「ヒシは『必ず』アオコを抑制する」という意味ではありません。
実際、汽水化する前の湖山池ではひどいアオコ(あまりの厚みに枯死アオコが沈殿せずにそのまま白化)とヒシが共存していました。

また、質問された方の地元にある諏訪湖でも、ヒシとアオコが共存しています。写真は2015年8月7日の諏訪湖湖岸です。

質問者がどこのどのような事例を根拠に質問されたのか分かりませんが、アサザもヒシも湖底を嫌気的にするので、リンや窒素を溶出させます。それによりアオコを発生させやすくする可能性の方が、ヒシやアサザが覆うことでアオコが生えにくくなる可能性より、はるかに高いと思われます(現実にそうなってます)。