文IIIでも東大

ネットで検索しても出てきませんが、私が東大を受験した頃は「天下の文I、遊びの文II、趣味の文III、数の理I理IIIはなくて、理IIでも東大」と言われてました。つまり理IIが一番入りやすいという意味だと思いますが、下記ブログによれば、今は「文IIIでも東大」のようです。
コスパが良い」のは早稲田大学スポーツ科学部
日本の大学を教育機関としてではなく学歴というブランディングの手段と割り切ると、ある程度ブランド力のある早稲田大学の中でも、最も偏差値の低いスポーツ科学部がコスパがよい。同様に東大だと文IIIが最もコスパがよいとの論旨でした。
実は私も高2のとき「このまま高3になって受験勉強だけの1年間を過ごすなんて、時間の無駄!」とコスパの悪さを懸念し、高2で東大の文IIIを受けることにしました。本当は当時問題になっていた開発途上国の食糧危機を解決すべく、京大農学部に進学してミラクルライスを作るんだ!と思ってました。でも問い合わせたら「アメリカの高校を卒業していても、日本の高校を卒業していないので受験できません。」と断られ、受験できた国立大学はお茶女と東大だけだったので、仕方なく東大を受けることにしました(母親からは「ただでさえ不細工な上に、東大なんかに行ったら嫁に行けなくなるでしょ!」と猛反対されました)。
しかし日本ではまだ高2で、かつ受験勉強に専念する気はサラサラなく、部活(生物部)も自治会活動もしながらだと、他の科目はともかく数学のリスクが高いと思いました。そこで、2問解ければ受かるとされていた文系を選択、さらには、進振りで理学部や農学部にも行けると入試案内に書かれていた文IIIを選んだのでした。
結果的には、初めて行われた共通一次試験(今のセンター試験)は半分もとれませんでしたが、その年に限り東大は足きりを行わず、パス。二次では数学がぎりぎり2問解けて、趣味で好きだった日本史・世界史はほぼ完璧に記述できたので、これはもしや受かったのではと思っていたら、本当に合格しました。しかも進振りで理学部に進学したので、文IIIを選んで大正解でした。
かけるコストでどれくらいのパフォーマンスを期待できるか常に意識するのは、とても大切なことだと思います。それを通じて、自分が本当にしたいことは何なのかが見えてくると思うのです。
(追伸)
共通一次試験・センター試験を通じて、東大合格者のうち正答率が最も低いのは当然、足きりがなかった私が受けた年でしょう。その中でも最低点は、半分もとれなかった私だろうと思っています。そんな私が研究者として、母校東大の教授になってるわけです。
アメリカではセンター試験に似た共通試験をTOEFLのように何度も受けれて、一番いい成績を希望大学に提出します。ホストシスターは高2になってすぐから、何度も受けてました。年1回のマークシート試験にあまりに重きを置く日本の大学入試は、それに比べて極めて合理性に欠けると思っています。
そんな制度を続けているから、上記ブログでも書かれているように、東大も含め、日本の大学のブランド力が地に落ちつつあるのでしょう。