池袋暴走事故を高齢ドライバー問題に矮小化してはいけない

池袋で乗用車が約150メートルにわたって暴走し、歩行者らを次々とはね自転車の母娘2人が死亡、車の運転手を含む40~90代の男女10人が重軽傷を負った事件。発生直後からそうだったのですが、今なお「高齢者の運転をどう規制するか?」という観点で取り上げられています。
そうではないと思います。
加害者が運転操作ができなかったのは、右足に不具合があった為である可能性が高いのです。例えば下記の4月27日付けNHKニュースは、「1年ほど前から右足のひざの治療のため都内の病院に通院し、医師から『車の運転はなるべく控えるように』と指示されていた。」と報道しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190427/k10011898751000.html
オートマの車は右足だけで操作しますから、左足が不自由ならまだしも、右足が不自由なのに運転するのが、そもそもやってはいけないことです。たとえ加害者が40歳程度でも、右足が同様に不自由だったら、同じ事故を起こしたことでしょう。
この場合、どれくらい不自由だったかによっては「絶対に運転してはいけない」ではなく「なるべく控える」との指示を出した医師も責任を問われるべきではないかと思います。
さらには、不自由な足で運転しているのを黙認して同乗した家族も責任を問われるべきです。たとえば飲酒運転を黙認した同乗者には、下記のように懲役の判決がでています。
https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG14007_U1A210C1CC0000/
妻と娘を奪われた遺族の言葉は「少しでも運転に不安ある人は、車を運転しないという選択肢を考えてほしい。また周囲の人も本人に働きかけてほしい。家族の中に運転に不安のある人がいるなら、いま一度家族内で考えてほしい。」でした。「高齢者は」ではありません。年齢に関係なく、運転の操作に不安がある症状(病気、ケガ、飲酒など様々)がある人、その周囲の人は、運転しないでほしい、と訴えているのだと思います。

www.huffingtonpost.jp