1000万円の代わりに筋肉を貯金

昨日「老後2000万円」は過小評価として、認知症や寝たきりなどにかかる医療費や介護費を考えると、さらに1000万円は必要と論じました。実際、平均寿命(男性81歳、女性87歳)と健康寿命(男性72歳、女性74歳)の差は約10年ありますから、介護費・医療費1年100万円×10年=1000万円という推定は、当たらずといえども遠からずだと思います。
あと1000万円さらに貯蓄というのは、相当ハードルが高いです。ではどうするか。介護が必要な病気(認知症、寝たきり)にならないのが安上がりな方法です。
日経トレンディ7月号によると、介護が必要になった原因のうち、関節疾患が10%、骨折・転倒が12%です。高齢による衰弱13%もいれると、35%が筋肉の減少が原因である可能性が高いです。
また認知症は18%を占めます。父が認知症を発症するまでを思い起こすと、通っていたジムに行ってもほとんど運動をしないで帰るようになり、1年ほどしてから物忘れが多くなりました。発症してからも、1ヶ月くらいの出張時にショートステイに出し、「とにかく歩かせて下さい」とお願いすると、認知機能まで驚くほど改善していました。運動すること、特に歩くことと認知症との間には、深い関係があると思います。筋肉が不足すると歩けなくなりますから、この意味でも筋トレは重要です。
日経トレンディ7月号には、筋肉が減ってるのか大丈夫なのかのチェック方法、低負荷から高負荷まで自宅でできる段階別トレーニング方法、筋肉をつきやすくする食事など多面的に解説されています。「抗加齢ドック」という、未病の発見・予防を目的とした健診も紹介されていました。何事も予防が一番です。

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