プラゴミを減らす知恵は先進国からはうまれない

先日のNHKクローズアップ現代で、ディレクターがプラスチックを使わない生活を試み、挫折する状況を放映していました。ではどうすればいいかの示唆は、極めて貧弱でした。
私はプラスチックのない生活を1ヶ月したことがあります。場所はフィジーという太平洋の孤島の国の首都から、さらに5時間船で行った環礁に囲まれた、ドラブニという小さな島。1周1時間で歩けるその島には、電気もガスも水道も、道すらもありませんでした。
それでも人々は、その小さな島で得られる動植物で、実に豊かな食生活をしていました。あるときマグロが浜に打ち上げられました。その刺身を島のココナッツミルクとレモンで和えたココンダという料理が、私にとって最高の、とれたてマグロ料理です。
人々は調理に石を使っていました。ショウガもレモンも石で潰し、和えてました。
そして、実は私の父も戦前まではドラブニ同様、食糧をお金で買わない生活をしていたのです。買いませんから、レジ袋もペットボトルもありません。お酒さえ戦時中でも、どぶろくを作って父の祖父と飲み交わしていたそうです(当時、父は小学生。何てゆるい法律だったのでしょう!)
先進国は、おごっているように思います。後進と思われているこの地球の至る所に、私達が間違ってしまったことを修正するためのヒントがあるのです。
(追伸)
人口40人ほどのこの島に、当然、医者などいませんでした。ある日、6歳くらいの女の子が、ここには靴などありませんので、切り株を踏み抜いてしまいました。すごい出血でしたが、この女の子は、その血をウチのクリ(8歳の柴犬)のようにペロペロなめてました。そして浜辺(塩水)に数分足を浸したあと、何事もなかったように笑って走っていって、何ら感染症はありませんでした。私のサイエンスは何だったのだろうと思いました。この体験以降、サイエンスと生活を同等に扱うことで、人類の未来を切り拓こうと思っています。