老後資金が2000万円では足りない理由

2019年6月13日付記事で「介護費用をいれると、老後資金は2000万円では全然足りない」と書きました。
介護費用が高額になった場合、高額介護サービス費制度で戻ってくるから安心、という趣旨の説明をする方もいます。実際はどうでしょうか。
私はフルタイムで働いているので、父親には日中、デイサービスに行ってもらっています。
下記が今年5月にデイサービスにかかった経費です。

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自費負担分(ロ)は昼食費なので、これは介護サービスの対象ではありません。では(イ)の介護サービス分55916+24317=80233に対して、どれくらいが自治体から高額介護サービス費制度で補助してもらえるか。それを示したのが下記です。

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わずか11516円。なぜなら、保険/事業対象分の555916円しか計算しないからです。父親は年金で一定の所得があるため、自己負担上限額は44400円で、555916ー44400=11516円となるのです。
つまり、昼食を除く介護サービス費として、5月の場合は68717円が自己負担でした。
父の場合はデイサービスだけで介護保険の点数を使い切っているので、私の帰宅が遅い時の食事の世話などは家政婦さんにお願いしています。高齢のご夫婦のどちらかが介護が必要になった場合、元気な方の配偶者も病気になることはあると思います。そうなるとデイサービスから帰ったときの自宅での介護にもヘルパーが必要になりますが、デイサービスだけでおそらく介護保険の点数は使い切っていて、かなり高額になると思われます。それが高額介護サービス費の対象になるのかどうか。
こういった現実は、私が父を介護しているから自分が介護される状況になる前に知ることができましたが、多くの方はおそらく全く気づいていないと思います。
配偶者のため、そして子供のために、長生きしても介護がいらないように健康に一段と気をつけるか、老後資金に少なくとも3000万円は貯めておく必要がありそうです。