政府のコロナウイルス対策は本当に専門家の意見なのか?

感染者がでていない府県も含めて全国一律、集会自粛、休校を断行した政府。一方で、感染が蔓延している中国からの入国拒否は、いまだ湖北・浙江両省のみです。
政府はこれについて「あくまで科学的に判断する。政治的な話ではない」と語ったと報道されています。

入国拒否、感染者の人口比で判断 出入国管理法も適用 :日本経済新聞

しかし上記記事だけでも「???」がたくさんあります。例えばアメリカは中国内の地域を限定せず、全土を対象に入国を拒否する措置を取っています。当然ながら、この対策はCDC(アメリカ疾病管理予防センタ)という、アメリカの感染症対策の専門家集団の指示に従っているハズです。アメリカの科学者の判断は科学的ではないのでしょうか?

さらには「科学的に判断する。」の主語が誰かということです。専門の科学者が判断したのか、科学者でない政治家が「科学的な判断ってこうなんじゃない?」と想像して判断したのか。
私は後者の可能性が非常に高いと思っています。百歩譲って個別の判断については専門家がしたとしても、全体をつなげたときの整合性までは、専門家からの意見を確認せずにつまみ食いしているのではないでしょうか?
なので水際対策はザルのまま(入国拒否を決めてからも中国では状況が変わっているのに)、国内対策は発症が全く確認されていないところも含めて全国一律、かつ全く準備期間なしという、誰が考えてもチグハグな対応になったのではないでしょうか。もしそうでないなら「いや、水際はこれでいいんです。その上で国内はこれが必要です。」と、全国一斉休校を決めたときに主張していた専門家の先生がどなたなのか、教えていただきたいものです。
うがった見方をすれば、外務省が「中国からの渡航を全面拒否します。」と通知しても、そこで安倍首相がでてくるシーンは少ないですし、周氏訪日をどうするかという政治問題もでてきます。それに対して一斉休校は「安倍首相がやってます感を訴える会見に最適」と、それこそ「政治的な話」で決めたのではないでしょうか。
今回のコロナ問題で、原発事故のように、専門の科学者に対する不信を国民が持ってしまうことになりはしないかと、非常に心配です。