自己流将来予測

多様性のない集団が権力を持ち続けると、現実に対処できなくなり、国は崩壊します。
江戸時代までの日本は徳川幕府が全国を支配していたわけではなく、特に外様と呼ばれた大名は幕府から取りつぶされないように藩を運営する必要から、身分にかかわらず優秀な人物を採用するなどの柔軟性を持っていました。
1867年の大政奉還により全国をひとつの政権が支配するようになり、藩閥・貴族による政権に民衆は反発して、大正デモクラシー運動が起こります。そして普通選挙法が制定された1925年、同時に治安維持法も制定されました。大政奉還から58年後です。おそらくこの頃には、大政奉還を勝ち取った頃の多様な考え方を有する人物は、全員亡くなっていたのだと思います。それから20年後、日本は破局を迎えます。
戦後、それまでの価値は否定されたものの、日本はまたもや多様性のない政権が続くことになり、2012年からは「安倍一強」という、驚くべき状況が続きます。終戦から67年が経ち、日本が破局に向かってしまったのはなぜか、本来どうすべきだったかなどを我がこととして感じていた世代が自民党から消えてしまった時期に当たるのだと思います。
そして菅政権は、戦争に突入してしまった反省から政権とは独立した機関として設立された日本学術会議を、政権下に組み込もうとしています。
治安維持法から20年で日本が破局に至ったように、安倍一強という異常事態の始まりから20年後(だとしたら2032年)、もしくは菅政権が学術会議に手をだした今年から20年後(2040年)に、日本はまた破局を迎えるのかなぁと、思ったりします。
一方で、アメリカやドイツは、こういうタイプの破局は迎えないと思います。アメリカは大統領が誰であれ、州の独自性は維持されています。ドイツは共産主義だった東ドイツと統合したのが1990年、その東ドイツ出身者が首相を務めるという、非常に多様性を重んじている国です。破局を迎えるとしたら一党独裁の共産主義国家で、ソ連は1991年に破局を迎えてロシアになりました。次に大きな破局を迎えるのは中国だろうと思っています。