政治、科学、物作りにつづき、接客業まで日が沈む?

ロシアのバイカル湖はここ10年で生態系が大きく変わってしまいました。
約30年前、混乱のさなかにあった当時のロシアで、日本陸水学会が中心となりバイカル湖研究に尽力しました。その時に日本人研究者がロシアに寄贈したソニーのハンディカムで、健全な頃のバイカル湖湖底の映像が残されていました。ところが古い機材とテープなので再現が難しくなり、私のプロジェクトの最後の年にテープ類を持ち帰り、知り合いにDVD化をお願いしました。
その後いろいろあって昨年度末頃に、修理を頼まれていた水中カメラと一緒にロシアに送る手配を始めました。そこへコロナが急拡大。税関手続きが不安なことから、いつもはロシアに行く研究者に預けて送っていたのですが、誰もロシアに渡航できなくなってしまいました。
そうこうするうちにコロナが長引き、一方でバイカル湖生態系はますます劣化。
「これは、かつての映像を示して、今がいかにひどいのかを周知させるしかない!」
と、相手方研究者が所属する研究所にかけあい、研究所のDHLアカウントを使って、私が着払いでDVDを送付できるよう手配してくれました。
ところが日本のDHLにそのアカウントを伝えると、「その番号では日本では着払い扱いできません。」との回答。そう伝えると、ロシアのDHLが必要書類をPDFで送付してきて、「これに署名し、ラベルを貼ればOK」とのこと。集荷は11月23日の18時以降でお願いしたのですが、待てど暮らせど来ません。
翌日、日本のDHLに電話で「集荷、来なかったのだけど?」と電話したら、「日本は土日祝日は集荷しません。また集荷は14時までです。」と回答。しかも、「お聞きしたところ、インボイスがないので受付できません。」と言われてしまいました。
そのことをロシアのDHLに伝えると、「インボイスは不要のはずなのに、おかしい。でも研究所から内容に沿った物を送ってもらいます。」ということで、まもなくメールで送られてきたので、サインしておきました。
それらを揃えて「明日の11時から12時でお願いできますか?」と日本のDHLに電話したら、
「時刻指定はできません。午前程度でお考えください。事前に何時頃になるかドライバーから電話をいれさせます。」
翌日、いきなり11時にドライバーが来て、「書類はこちらで全部用意しているので荷物だけください。」と言われました。それでは追跡番号なども一切わからなくなるので、用意していると言われた書類を急いでスキャンして、DVDと一緒に返却しました。念のため、ロシア側から送られた書類一式も持たせました。
あとで見たら、何と、私の署名がないインボイスが入っています。あわてて日本のDHLに電話し、「そちらで用意したインボイスには私の名前と署名欄があるのに、署名はなくていいんですか?」「うちはクーリエサービスなので、署名は不要です。」「ロシア語併記のインボイスに署名してドライバーに渡したので、そちらを使った方がいいと思います。」「そうですね、そうします。」
今回のゴタゴタ、当初はロシアのDHLのミスかと思いましたが、「インボイスがないから受け取れない」と言ってたのに実は日本のDHLで準備できてたし、ドライバーは事前電話もなく来たしで、日本のDHLに問題があったのではと思いました。
日本の接客サービスは世界一という神話も、過去のもののようです。