投資の勧め

結婚してパリにいる娘は接客が好きで、パリでもその方面の仕事を探しているのですが全くないそうです。それで、彼氏の収入だけに頼るのはイヤだと、FXを始めました。日本にいる間にトレーダーと知り合いになり、指導いただきながら小遣い程度を投資しているそうです。しかし先日、LINEで長電話したときに私の株の買い方を聞いて、「そっちの方が楽しそうだなぁ。コロナが終わって出歩けるようになったら、私もそうしよう。」と言ってました。

私が最初に買った株のひとつがファンケルです。動機のひとつは、100株で3000円のファンケルスクエアーでのお買い物券を株主優待でゲットできるからです。

父親がかなり以前からファンケルの通販でサプリを買っていて、父が認知症初期の頃によくわからない話をしていても丁寧で親切に対応しているのが印象に残っていました。父が自分で頼めなくなってからは筑波西武のファンケルに行って、ファンケルポイントと西武のポイントの二重取りをしていたのですが、店舗での接客も完璧だったことと、父のような高齢者から若い女性まで利用者が幅広いことから、株価は上がりこそすれ下がらないだろうと購入を決めました。その後も、出張先にファンケルの店舗があったら必ず行って立ち話して、質が落ちてないか確認するようにしています。

今年は銀座にあるファンケルスクエアーに行くのがためらわれたので、パリに行く前は都内に住んでいた娘に買い物券を送って、サプリを買ってもらいました。その時の店員の接客に娘は感激して、翌日にバイト先のタリーズで「私、これからファンケル式接客する!」と同僚に宣言したそうです。それで私の株の決め方に共感したようです。

私が買った2017年1月時点のファンケルの株価は1577円でした。その後、株式分割されて100株が200株になり、現在の株価は4055円です。わずか4年で157700円が811000円になりました。半分売っても元は取っているので、タイミングを見て半分売って、今後暴落しても損はしないようにしておこうと思っています。

ファンケル株での経験から、

1)自分が好きな物・事をセンス良く展開しているか、全国レベルで確かめる。

2)優待で好きな物・事がゲットできて、多少値が下がっても許容範囲な株を長期保有する。

に加え、

3)数十万円以内で200株購入できる価格帯のものしか手を出さない。

という条件で株を買うようになりました。1)でしっかりサーチしておけば数年で倒産することはないと思いますが、万が一そうなっても数十万円なら他の株の益でカバーできます。また200株にしたのは、この価格帯の株だとファンケルのように2倍以上になる可能性があるので、倍になったときに100株を売れば元を取れるからです。

長期保有という観点からは、外貨や仮想通貨も数十万円くらいづつ持っておくといいかもしれません。日本の財政が破綻したら円資産だけでは大変苦しい生活に陥りそうです。

私は日本のマイナンバーに当たるものをアメリカでも持っているので、アメリカで銀行口座を作ってドルを保有しています。日本での外貨預金は銀行が倒産したときに保証されませんが、アメリカの銀行での米ドル預金は保証の対象になるからです。ドルに加え、勉強も兼ねて2018年1月に仮想通貨のビッドコインを数十万円購入しました。しばらく暴落していましたが、現在は買った値段の倍以上になっています。そろそろ半分売って、損はしないようにしておこうと思っています。

ポスドクとか科研費のプロジェクトとか、長くても5年で結果を要求されることばかりに囲まれていると「長期」の感覚がどんどん短くなっていくかもしれませんが、自分なりの観察とロジックで極力リスクを小さくしつつ少額づつ投資を続けて、定年後も海外の学会に行って、定年のない海外の友人達と議論できるだけの蓄えを形成しておくと楽しいかなと思います。

実は今日、某学会のオンライン総会があって(4時間もかかった!)、予算案に顧問税理士費として15万円が計上されていました。相談料として月1万円で12万円、具体的な作業はそれとは別に実費で仮に3万円として計上したそうです。私は投資だけでなくアパート経営もしていて青色申告を税理士さんにお願いしていますが、年に数万円で申告作業(私は領収書や証券会社からの書類をバサッと税理士さんに渡すだけ)をしてくれますし、電話相談にも乗ってもらってます。誰も「ちょっと高いのでは?」と指摘しなかったので「学会と個人では違うかもしれませんが。。」とコメントし、相見積もりをとることになりました。それが相場かもしれませんが、はるかに安ければラッキー!です。

インターネットの発達や少子高齢化で、学会の存在意義がどんどん薄れていくと思います。そんな中で会員から預かった会費を無駄なく使用し、長期的に安定した経済基盤を維持するのに必要なセンスや経済に関する相場観を、これからの学会を担う若手には身につけてほしいと思ってこの記事を書きました。