日本の高等教育、大丈夫?

ひさしぶりに指導することになった学生さんの修論締切が来月に迫りました。目次を送ってもらったら、私ならこういう構成にするという内容そのもので驚きました。
彼は中国からの留学生ですが、英語は読むのも書くのも全く問題無し。当初は論文の書き方がなってなかったのですが、英語が読めるので国際誌をどんどん読みこなすようになり、初めての投稿論文はほとんど手を入れないで済むくらい完成度の高い内容でした(現在、査読中)。当初は英語の発音が英語らしくなく、「あなたの英語は中国英語だ」と散々注意してましたが、今はとても英語らしい英語を話します。
4月入学の修士1年の中国からの留学生さんも、英語はほぼ完璧(私より達者です)、日本語も日常会話や簡単な読み書きはOK、実験も自分で国際誌論文を読んで改良しています。二人とも中国では日本の東大にあたるようなトップクラスの大学ではないのですが、それでも平均的な東大生と比べて、少なくとも英語力は明らかに勝っています。
先日発表されたアジア大学ランキングの1位は中国の清華大学、2位は北京大学で、東大は6位です。秋には北京大学の学生さんが入学する予定なのですが、これまでの中国からの留学生さんの優秀さから、彼も自分で勝手に研究を進めてくれるだろうと期待しています。

アジア開発銀行の奨学金を得て進学したインドネシアの留学生さんも、英語は全く問題なく、国際誌をバリバリ読みこなしています。彼女はインドネシアの現地調査の資金も自分で獲得するほど行動力も抜群。
こんな若者達とやりあっていかねばならない日本の若者、今の教育で大丈夫なのか、心底心配になっています。