「ウイズアカリンダニ」下のニホンミツバチ

今日は「つくば蜂友会」の師匠宅に会員が集まり、巣箱作りをしました。
毎年師匠が改良を加えていて、今年は天板にメントールを入れるスペースと、どこまで巣が伸びたか確認する小窓がついていました。師匠一家で材料の切り出しまで済ませてくれていて、会員は2~3人一組で組み立てました。5時間くらいかかりました。
そのあと師匠と水田地帯にお住まいの会員と3人で、アカリンダニについて議論しました。
中心部に住むわが家のニホンミツバチはこの暖かさでも出てこないので、恐らく全滅です。そして昨年同様、梅だけでなくオオイヌノフグリやホトケノザなど、早く咲く雑草は抜かずに咲かせているのに、他からもミツバチが飛来しません。自宅近くにもうひとり会員がいて、そこも昨年は冬にアカリンダニで全滅。今年は昨年ほど巣が成長せず、巣箱が少ない状態で越冬したところ生き延びたそうです。
こういったことから、現時点の私の仮説は下記です。
中心部は周辺より農地が少ない分、分蜂後から初秋まではネオニコの影響が少なく、他の地区より旺盛に繁殖する。それは同時にアカリンダニにとっても農地周辺よりもネオニコの影響が少ないということで、ミツバチが旺盛に繁殖する間はミツバチの数は維持されるものの、気温が下がって産卵が止まると感染率が高くなる。その状況で巣箱が大きいと十分な温度を保つための運動でミツバチは栄養を使い果たして死亡するが、巣箱が小さいとかろうじて生き延びる。
3名とも一致したのは、「アカリンダニに感染した群に冬を越させるには周年のメントール使用と保温が重要」という点。師匠宅の庭にはニホンミツバチの巣箱が3つあって、日なたの2箱は元気に飛び回り、日陰のは明らかにアカリンダニにやられていたことからも、ニホンミツバチは暖候期も含めて日当たりがよい所におき、真夏だけ遮光した方がよいようです。
西洋ミツバチはもともとアカリンダニと生息域が重なっていて、アカリンダニがくると払い落とすそうです。ニホンミツバチにとっては外来種で払い落とす行動をせず、まだうまく適応できないのです。
水田地帯にお住まいの会員が、「我々がウイズコロナを生きているように、これからのニホンミツバチはウイズアカリンダニを免れることはできないとの認識で、師匠の飼育法の何がポイントなのか明らかにしないと。」と言われてました。同感です。

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