次は首都直下地震

2月8日の記事で、トルコ南東部地震の死者は28000人を超える可能性があると書きました。残念ながら12日現在、そうなってしまいました。

これほど死者が多いと予測された根拠についても、今回地震があった地域の建物の耐震性が十分ではなかったからと伝えました。
以上を踏まえた上で、日本の首都直下地震の被害想定を見てみましょう。

揺れによる建物の被害は8万2200棟、火災は11万2200棟。ニュースで見るトルコ南東部地震より火災被害は多いように見えます。
これらの建物の損壊に対して、揺れによる死者は3700人、火災は2500人、合わせて6150人しか死亡しないと予測しています。
建物の耐震性や防火性は増しているとしても、家具の転倒や長周期振動被害、火災時に発生する一酸化炭素など、かつてより増えているリスクもあるはずです。
また損壊や火災が無かったとしても、例えば地下鉄の駅で突如揺れて停電になったら、パニックになった人々が出口に押し寄せ、韓国・梨泰院の転倒事故(死者156名)のような状況が各駅で起こるかもしれません。都営地下鉄106駅、営団地下鉄180駅の約半分の150駅で100名が亡くなる転倒事故が起こったとしても、それだけで15000名の死者となります。
浸水被害はどうでしょう。河川や海の堤防のどこかが地震で損壊したら、浸水が発生します。実際、東日本大震災の際には、霞ヶ浦護岸の各地が損壊して、あちこちにビニールシートが敷かれていました。

今すべきはトルコ南東部地震被災地での各国専門家による救助、その次は広い層からの寄付などによる復興支援でしょう。そしてその次に日本人がすべきなのは、首都直下地震で何が起こり得るのか、被害想定を鵜呑みにしないで各自が関わる範囲で予測し、対策をとることでしょう。東京・横浜に住んでいなくても、出張で行く方は少なくないと思います。その際にはどこに宿泊すれば安全か、首都機能がストップしたらどうやって自宅に帰るかなど、考えておくとよいと思います。