サイクロン「フレディ」は他人事ではない

南半球で過去最大級のサイクロン「フレディ」がモザンビークで猛威をふるっています。中心部の「目」の大きさから、その脅威が伝わります。

このサイクロンは存在時間も過去最長級ですが、日本でも台風の速度が遅くなっています。

台風 気象研究所

3月11日と、続く日曜にあたる今日12日、多くの報道番組が東北大地震を取り上げ、現在への教訓を伝えようとしていました。でもそれらはことごとく、一部科学者が3.11前に予測していたのに伝えようとしなかった当時のマスコミと同じレベルだと思いました。
たとえば関東大震災は9月に起こりました。台風が来てもおかしくありません。台風は低気圧ですから高潮も起こりやすくなります。温暖化進行中の現在、首都直下型地震・河川氾濫・高潮のトリプルパンチになる可能性が高まっているのです。地学系の研究者なら、私だけで無く気づいている人は気づいていると思います。たとえば私の高校の地学の先生は、阪神淡路大震災前の私が高校生だった頃に、神戸に新幹線をこんな形で通すのは間違っていると講義してました。東京に行かなければならないときは、絶対に日帰りされていました。
このブログで何度も書きましたが、東北で大震災により津波被害が起こることは、産総研(元地質調査所)が何年も前から情報発信し、原子力関係の委員会でも指摘していました。聞く耳を持たなかったのは業界だけでなく、マスコミだったと思います。

(追伸)
そもそもマスコミ記者に占める理系比率が低すぎます。この理工系技術が時々刻々変革している時代に、文系しか学んでいない記者に理工系関係者が苦労して伝えるなんてバカなことが起こっている先進国は、日本くらいでしょう。Scienceに論文を発表したとき、欧米の取材より、日本のマスコミ(某M新聞とN新聞を除く)に正確に伝えるのに、滅茶苦茶苦労しました。