香害の遠因を解明しようと、かなり以前からGC/MS/MSを使っての香料分析法に携わってきました。一度は「これで行ける!」と思える段階まで行ったのですが、念のためそのメソッドと同じ方法で他の人に柔軟剤を測ってもらったら、異なる値になりました。なぜ?と調べたら柔軟剤が変質していました。新しいのを買ってきて試そうとしたら標準試薬が入手できなくなり、さらには抽出に使っていた固相まで入手できなくなりました。
仕方ないので再びメソッド開発から始め、これで何とか行けるかもと先が見えてきた矢先に、使っていた特殊なガラスバイアルが「納期未定」となりました。ウクライナ戦争が原因とのこと。ということは、ここ数年は不安定供給になるということです。
GC/MS/MSに300万円くらいする別の装置をつければメソッド開発から始めなくても行けたかもですが、科研費が全く当たらない研究室なので高価な買い物はできません。学生さんの修論としてメソッド開発をやってもらっていたので、こういった外部事情の影響が大きいとなると、思い切って香害研究は断念しないとかもしれません。
私は2026年3月で定年になります。香料分析に使っているGC/MS/MSやネオニコチノイド分析に使っているLC/MS/MSなどの分析装置は、専攻長から「定年までに処分するように」と言われています。何千万円も使って購入した装置なので処分は大変もったいなく、できれば2026年3月までにこれらの装置を持って行ける再就職先があればと思います(私のような研究をしていては敬遠されるのがオチですが)。