「あきたこまち」のダブルスタンダード

10月28日の当ブログで、秋田市水道水から3000ng/Lを超えるジノテフランと500ng/Lを超えるスルホキサフロルが検出されたことを報告しました。いずれもカメムシ対策として水田にまかれたネオニコチノイド系殺虫剤です。

 住民が対策を求めたところ担当者は、「国の基準よりはるかに薄いから安全」と答えたそうです。国の基準は600000ng/Lです。
そんな秋田県が、従来の「あきたこまち」から「あきたこまちR」に切り替えるそうです。その理由は「国内における米のカドミウム基準値が0.4ppmであるのに対し、海外では、より厳しい基準が設定されており、それに合わせて国内基準が見直されても対応できるようにする必要があります。」なんだそうです。

そして海外の基準としてEUの0.15ppmを紹介していました。
秋田県は本気でEUに米を売る気なのでしょうか?
EUで許可されているネオニコチノイドはクロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム、アセタミプリド、チアクロプリドの5種類だけです。日本で大量に水田にまかれているジノテフラン、そしてジノテフランに代わって近年散布量が増えているスルホキサフロルは認可されていません。
日本は、国内ではネオニコの残留基準を緩くし、厳しい国には無農薬・減農薬栽培のお茶を輸出するなど、ダブルスタンダードで対応してきました。

 ネオニコはバンバンまきながらカドミウムは海外の厳しい基準に合わせるとする秋田県のダブルスタンダードは、農水省にとって「これぞ各県が見習うべきお手本!」なのでしょう。