潜水ガモのご馳走は二枚貝

今日は水産庁主催シンポジウム「里海保全の最前線」で基調講演を行いました。
1950年代半ばまでは平野部湖沼に沈水植物が大量に繁茂していて、農民がそれらを肥料用に刈りだしていたことを説明、その沈水植物が除草剤使用により衰退したことも伝えました。ここまでは拙著「里湖モク採り物語」で解説しているのですが、アマモ場が消えた中海でホトトギスガイが大量に生息するようになり、それを潜水ガモ(キンクロハジロ、スズガモ、ホシハジロ)が食い尽くす話をしたところ、大多数の方が「潜水ガモが二枚貝を食べる」ことを知らなかったようでした。そう言えばこの話は英語論文で公開後、一般向けに日本語の解説を書いていなかったことに気づきました。英語の論文は1996年に公表しています。

試しに「潜水ガモ 二枚貝」で検索したところ、美唄市のサイトが「キンクロハジロがシジミを食べる」と紹介していました。

キンクロハジロ - 美唄市ホームページ

熊本では潜水ガモではないオナガガモやヒドリガモが干潟でアサリを食べているそうです。

干あがらない深い所にアサリがいたとしたら、そちらは潜水ガモが食べているカモ。。。