2月27日に「出雲市でトキ野生復帰なんて無理!」と書きました。ネオニコチノイド系殺虫剤が節足動物を減らしたことで、トキの餌となる魚が充分いないと考えられるからです。実際、出雲市に隣接する宍道湖ではワカサギが激減して、全く採れていません。
その宍道湖を主な越冬地とする島根県にこの冬、前年の倍となる12万羽が飛来したと報道されていました。
最も多いカモ類が11万2千羽を占めます。飛来するカモ類の多くが二枚貝(宍道湖のヤマトシジミ、中海のホトトギスガイ)を潜って食べるタイプか、主に植物を食べる雑食性です。今年5万羽に増えたとされるトモエガモはこのタイプです。
カモ類に次いで多いガン類も植物食です。
トキ野生復帰を目指して殺虫剤使用量を減らしていれば「魚食性の鳥も増えた」という記述も出てくるはずです。出雲市でのトキの野生復帰は、やはり絵に描いた餅でしょう。