水環境保全と鯉

9月13日付の記事で「霞ヶ浦のコイの役割、在来型コイと移入型コイ」とのご講演を紹介しました。
光栄なことに、講演者の方がこのブログ記事を読んでくださって、関連する論文を送って下さいました。霞ヶ浦で隔離水塊を作ってコイあり、コイなしの状況を作って比較したところ、コイがいる水塊では沈水植物が食べられてしまい、植物プランクトンが増えて、透明度が低下していた、とのご報告です。
コイがいることで透明度が低下することは、水草の捕食ではなく、他の理由から言われていたように思います。いただいた論文では、水草が食べ尽くされた様子が歴然としていて、今後、コイの功罪を議論する上で、とても大切なデータになると思いました。
下記がその、送っていただいた論文です。

Effects of common carp on nutrient dynamics and
littoral community composition: roles of excretion and
bioturbation. Fundamental and Applied Limnology
Archiv für Hydrobiology, Vol. 168/1: 27–38, January 2007