阿蘇巡検−火山地形と地下水

地理学会最終日の今日は、阿蘇巡検に行きました。テーマは火山地形と水文環境。阿蘇は初めてだったこともあり、また前日に熊本市内を流れる白川をジョギングして、透明性や付着藻類の付き方から、その水質のよさに驚いていたので、水源にあたる阿蘇の水環境が見れると楽しみにしていました。
実は熊本市はとても地下水が豊富で、水道水源も、全国で唯一、地下水100%なんだそうです。おかげで水質は良好、消毒に使う塩素も最低限で済むとのこと。その豊富な地下水を支えているのが、阿蘇阿蘇カルデラ内でも白川の水源付近や阿蘇神社で、あふれるばかりの湧水を見ました。特に白川湧水は、豊富な湧水が左右に流れて、地形的には全然分水嶺ではないのに、ミニ分水嶺になっていました。
地下水が豊富なのは、まず、雨が多いこと。実際、巡検もほとんど雨で、その多さを実感することができました。また、降った雨がすぐにしみこんでしまう地層であること。特にスコリアだとそのままと言っていいほど染みこむので、表面が全然浸食されません。
写真は2000年前の噴火でスコリアがたまって形成されたと考えられている「米塚」と呼ばれる丘ですが、山道以外、表面に全く浸食の跡がないのが、まるで奇跡のようです。