患者を診たこともない医師が作る診断基準とは?

脳脊髄液減少症データ集Vol.1 研究会全抄録と最新発表報告」が発行されました。
http://www.m-review.co.jp/book/03/bk03_0170_7.htm

ウェブにある序文では省略されている、下記の記載があります。

「2007年4月に厚生労働省の研究班『脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する研究班』が発足した。脳神経外科学会、整形外科学会、脊髄外科学会、頭痛学会など関連学会から分担研究者が集まり、3年計画で研究を進めることになったのは大きな進歩である。しかし、分担研究者の多くはこの疾患をほとんど経験していないという問題点も指摘したい。」

そんな馬鹿なことがあるって、信じられます?富栄養化した湖沼の現場を見たことがない研究者が、富栄養化の問題点や対策を立てるようなものです。これが日本の医学の常態なのか、それとも、あまりにこの後遺症が多いから、あたかも水俣病のように、実態を知らない医師に作業させて、明らかに症状のある患者も排除するような基準を作らせようとしているのでしょうか。

実は私もこの後遺症の患者です。全身の激しい疲労、記憶障害、言語障害、今も残る首の痛みなどで、一度は研究者としてやっていけないと思い詰めたこともありました。幸い治療で快方に向かっていますが、この疾患が保険適用ではないので(上記のように今から研究するということで)、自己負担でやってきました。

この後遺症に関する理解の不足によって、追い打ちのように私が経験してきたことが少しでも減ってほしいと、主治医の先生(既に何千人もの患者を治療されている方です)のご厚意で、私もこの本に文章を掲載させていただいています。タイトルは「ブラッドパッチ以外の治療法 −症状悪化を防ぐために」医学関係の本に文章が載るなんて、最初で最後だと思います。

ご関心のある方にはコピーをお送りしますので、rikusuigaku@excite.co.jpまで。