ライギョと格闘

関東地方近くを台風が抜けていった10月27日の夜、宍塚大池の網籠でとれたというライギョを引き取りに行きました。肉食魚としてはブラックバス同様かそれ以上に高次捕食者と考えられるライギョ。網にかかってすぐのだったら、消化管の中に餌が入っているかもしれないと解体しようとしたら、バッタバッタと、60cmの巨体で暴れ出し、とてもひとりで解体できそうにありません。しかたなく、冷蔵庫で安楽死してもらおうと冷蔵質にいれ、翌、28日夜、メス(=包丁)を入れようとしたら、まだピンピン。意識があるうちに包丁をいれたら痛いだろうし暴れるだろうしと、鉄アレイを持ってきて何度も叩いたのですが、脳震盪も起こしてくれません。考えあぐねた末、1時間冷凍庫にいれ、半凍死状態のまま取り出してすぐに頭を切断しました。胃の中は、残念ながら空っぽでした。
それから切り身にするのも大変でした。骨が体の中心を平たく全体に通っていて、それに身がしっかりついていて、とても剥がせません。いろいろ考えた末、キッチンばさみで骨を粗く除去し、小骨が残った状態で切り身にして、その中から骨がない部分を切り出して同位体分析用にしました。
こんな解体方法だったので、骨に肉がたくさん着いていました。これを見て息子が「おじいちゃんもライギョはおいしいといっていたから、食べてみたい」と言いだし、焼いて塩をかけて食べてみたら、しまった肉質、淡泊な白身で、塩味がとてもあう、おいしいお魚でした。ウナギもそうですが、生命力の強い淡水魚はおいしいのでしょうか。確かに、今年77歳になる父が子供の頃にだけ食べた記憶を、まだ覚えているだけの味だと思いました。