何をしても問題。。。

昨日11月21日は、新領域の様々な分野の先生方が毎回3名ご専門について講演される「学融合セミナー」の第6回が開催されて、「化学物質過敏症」の著書で知られる柳沢先生のお話を聞いてきました。
柳沢先生は、私が東大の文科三類の学生だった時に、全学ゼミという1、2年対象の演習を受け持たれていて、水俣病のお話しをされました。そのゼミが、私が理転するきっかけになりました。もう30年も前のことです。
お話しの中で、11月18日にこのブログでご紹介したプラスチックゴミを焼却する話題があったので、セミナー終了後の懇親会で詳しくうかがいました
柳沢先生のご説明では、プラスチックをリサイクル目的で低温で溶かすと、何がでてくるか分からない。かといって埋め立ては限界があるし、環境中に有毒物質が流れ出す可能性も高い。
高温で燃やし、その際に炭酸カルシウムをいれておけば、塩素などはカルシウムに吸着し、残りの有機物は高温であれば二酸化炭素と水になるから、埋め立てやリサイクルより安全、ということでした。
ダイオキシンがでてこないのはもちろん、炭素・水素以外の、酸化することで有害化したガスが全て焼却施設からでていかない構造になっているのなら、確かに、リサイクルや埋め立てより問題が少なそうです。
ただし「絶対安全」と言われている原発で予想外のことが起こったり、業者が規格通りに作らなかったり等、理論通りに行かない場合はどうなるのかな、と思いました。
私は牛乳の加熱殺菌について少し勉強したことがあるのですが、一様に同じ温度に同じ時間加熱するというのは、非常に難しいです。それで余熱をかけたりするのですが、その段階で変質が進む場合もあります。プラスチックほ消却についても、燃焼時の状況や、燃焼に至るまでのプロセスはどうなっているかなどが気になります。来年4月からプラスチックゴミの燃焼処理を行うということは、安全性の確認は公式には済ませてデータが公表されているはずなので、どこでどういう風に測ったのかなど、詳しく知りたいと思いました。
柳沢先生と意見が完全に一致したのは「大切なのはreduce」。問題の多いプラスチックという素材を使わないで済む社会を目指すことが、とても大切だと思います。