遠慮は無用

学生さんを見ていると、留学生と日本人学生とで一番違うのが、質問や相談に来る回数。留学生は講義やゼミがある日には必ず、個人的に私の部屋まで来ます。9月に終了したB君なんかは、今でもことあるごとにメールで相談・お願いが来ます。
一方、日本人学生さんの方は、とにかく自分で頑張ろうとします。そして、すごく頑張っているのだけれど、やっぱり教えてもらっていないことを自習で完璧にこなすのはかなり困難で、時々、すごく基礎的なところで抜けがあったりします。抜けがあるまま突っ走ってしまうと、後で軌道修正するのが大変です。
先日、修士1年のI君が学生さんの自主ゼミで発表したのですが、学部時代全くやっていなかった質量分析について、私がお貸しした参考書を読み込んで独力でまとめていて、発表までとうとう一度も相談に来ませんでした。結果、質量分析についてはほぼ完璧に解釈していたのですが、それを水環境とどう結びつけるかについては、若干誤解があって、とんでもなく複雑なことを考えていました(それは誰にもできないテーマだよ、みたいな。。。)。
もともとI君は、テーマも自分で探そうと夏前位まで試行錯誤していたくらい自主的な学生さんですが、「自分だけで全部するのは大変だから、もっと相談に来なさいな。」とゼミの後で言ったら「迷惑なんじゃないかと思って」。日本人の学生さんって、こういう遠慮があるんですね。
私はアメリカの高校を卒業しているためか、教師というのは使って何ぼと思っていますので、日本人の学生さんの感覚からずれているのかもしれません。陸水研に進学される学生さんは、修士2年、博士と合わせても5年しかない間にいろんなことを学んでいただきたいので、遠慮しないでどんどん質問や相談に来てください。卒業してからも、どうぞ。