内分泌撹乱化学物質の骨形成への影響

環境ホルモン学会の最新のニュースレター(vol.10, No.3)に、やっぱり!と思う報告がありました。

「内分泌撹乱化学物質の骨形成への影響」
西村 典子 ((独)国立環境研究所)

です。環境汚染物質であるTCDDが骨の石灰化および骨形成を阻害することを、マウスを用いた実験で明らかにしたものです。
アメリ五大湖周辺の水鳥で、卵の殻の軟化により親が暖める際に割れるものが多くなり、個体数が減少したことはよく知られていますが、鳥の卵だけでなく、ほ乳類の骨でも石灰化の阻害が確認されたわけです。

私は脳脊髄液減少症という後遺症を負っています。脊髄の髄膜に穴があいたものがいつまでも塞がらず、脳の髄液が漏れだして脳が縮むことから、頭痛、極度な疲労、記憶障害、運動障害など、さまざまな症状が現れます。この、髄膜が塞がらないことは、結合組織の異常(専門のお医者様に聞いたところ、英語ではconnective tissue disorderと呼ぶそうです)だと思われます。いかに多くの人工化学物質が、先進国では唯一水田農業を行う日本で直接に近く水環境に入り込んでいるかを専門から痛感している私にとって、この異常も化学物質が一因ではないかと思わざるを得ません(=日本では田植えから間もない時期に集中して水田に除草剤をまき、一部は用水路を通じて環境中に流出します。小麦栽培では、まず土壌に浸透します)。

今回、石灰化異常の原因であると確認されたことから、やがては結合組織の異常も確認されるのではないかと、改めて思いました。