イオンクロマトグラフィー

自然環境構造学分野の前の教授の方は、陸水中の無機イオンをイオンクロマトグラフィーで分析して土地利用との関係を検討するよう指導されていました。
せっかくイオンクロマトグラフィーがあるんだから、ついでに測ってみたら?とD1のH君には彼のフィールドである汽水性洞窟湖の湖水、D3のT君には渓流水と雪の分析を勧めました。
先日、T君がその結果を合わせて持ってきてくれたのですが、狙っていた通り、フィリピンの汽水性洞窟湖では、アナモックス反応が起こっていてもおかしくないところがいくつかありました。T君の雪の方は、彼が思いついて柏キャンパスの雪も測っていたのですが、それと渓流域の雪とで驚くほど値が違っていました。
「いや〜、こんなに違うんですねえ。もう1回降ったら、同時に平面分布取ると面白いですね。」
残念ながら、明日は雪ではなく雨みたいです。。。^^;
ともあれ、化学分析は、見た目では全く同じ雪の大きな違いを、見て分かる形で示してくれます。見えないものを見える形にする。そして見えることだけでなく見えないものも含めて、時空の位置を意識し、総合的に環境を検討する。それが水環境の理解には不可欠で、私が生態学ではなく地球化学の手法を重視する理由の一つです。