2008ASLO Plenary lectures & Award talk (3)

一連の2008ASLOの報告、今回で最後です。皆様のご感想はいかがですか?
私はこの学会の雰囲気、とても気に入っています。できれば日本の若手がこういった雰囲気の学会で世界の研究者と議論し、ともに陸水学・海洋学を発展させる機会を作りたいと思っています。そのためには、ASLOを日本で開いてもらうのも一つの手かもしれません。


Plenary lectures
Ron O’dor
Censusing marine life – Diversity, distribution and abundances, focusing on dynamnic distribution
話が進むうちに、アレ?これって、私が便利に使っているサイトじゃん?と思って確認したら、やっぱりそうでした。どの海域にどういう生き物がいるか、調べることができます。
http://www.iobis.org/
これの右上にある「About OBIS」をクリックすると、元締めである
The Census of Marine Life (COML)
http://www.coml.org/
がでてきました。このCOMLの仕掛け人がこの方だったんですね。COMLは世界各地の様々なプロジェクトの元締めで、いかに多くのプロジェクトを束ねているかは下記で分かります。
http://www.coml.org/project_map.html
講演ではそれぞれの現状の紹介と将来構想を話してくれて、その壮大さは、海への夢が宇宙へのそれと変わらないことを実感させてくれました。
会場からの質問「いったいいくらくらいかかっているの?」に対して「数billion dollars」と涼やかに答えていたところがステキ。これくらいお金を集めるにはどうするかも、講演でしっかり紹介されていました。私のいまのところ一番大きい夢は、かつての名大水圏のような研究所を、土木や水環境技術関係も統合して日本の大学のどこかに作りたいというものです。それが現実になる頃に、今度は地球レベル(ひょっとしたら宇宙レベル)のこういうプロジェクトを思いついていると、さぞかし楽しいことでしょう。
細部もなかなかセンスが似ていて、共感しました。たとえばもうすぐ実現するハズとして、鯨とか鮫など、動きの大きい動物に発信機能を持つセンサーをつけて、海の各地にその受信機をセットしたらどうなるかという話がありました。受信機にはこんな情報が入ってきます。「やあ、こんにちは。僕は昨日、○○にいたんだ。ちょっと寒かったかな。同じく発信器をつけているXXを2匹食べたよ。」と、こんなことができるようになるんだとユーモアたっぷりに説明してました。そのセンサー、どこまで小さくできるかとの質問に「バクテリアは無理だけど、アワビの幼生まではできるはず」ですって!
こういうテクノロジーの開発、日本が本気で取り組んだらわけないはずです。日本の研究者はその点、何か思いついたらとっても有利なんだろうなと思いました。